ささみの呟き

独断と偏見でいろんな感想を載っけてく

小説家を見つけたら 観ました

こんばんは。寒くなってきましたね!

ヒートテックが手放せない季節になってきました。

 

早速ですが、今日は最近観た作品の話を……。

 

【情報】

小説家を見つけたら

監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:マイク・リッチ

2000年公開のアメリカ映画
2023年11月に字幕版で視聴しました


【あらすじ】
ニューヨークの下町、ブロンクスに生まれた16歳の黒人少年ジャマールは、文学の才能を持ちながらも周囲に合わせ、その才を隠していた。そんなある日、仲間たちと集うバスケコートをアパートの窓から双眼鏡で覗く老人の部屋に、度胸試しで深夜忍び込むも、部屋の主が起きていたことに驚きリュックを置いてきてしまう。
後日、戻ってきたリュックの中に入っていた創作ノートには赤字でコメントが書かれていた。
老人に興味を持ったジャマールは、その後も作文を持ち込み、強引に添削を依頼する。引きこもっている老人は、どうやらフォレスターという稀代の小説家であり、処女作でピュリツァ―賞を受賞したのち、忽然と姿を消した人物だった。
親交を深める2人と、急速に文章が上達するジャマール。学費免除で転校した私立の高校教師クロフォードは、ジャマールの文才を信じられず、賢いジャマールを目の敵にしていく。
ある時、練習用で書いた文章のタイトルと冒頭が、フォレスターの古いエッセイの写しであることに気が付かず、学校に提出してしまったジャマール。クロフォードは一見して盗作だと決めつけ、退学に追い込まれそうになるが……。

 

【良かった点】
ショーン・コネリーの味わい深い芝居。主人公ジャマール役の少年も素晴らしかったです。(後で調べたら映画初出演らしい!すごいですね)
▪人物の心理描写が非常に丁寧でした。だれもが経験するような最小単位での出来事……たとえば、貧しい家庭の家族が健気に明るくふるまっている現状へのもどかしさや、年齢や肌の色・生まれた場所でラベリングされ差別されることへの憤り、あることがきっかけで外に出れなくなってしまった老人の感傷と孤独。とてもじっくり描かれ、感情移入できましたし、リアリティがありました。
▪静かな映画ですが、ラストシーンはとても胸が熱くなりました。キャラクター同士の関係構築と物語の落としどころが良かったです。

 

【ここはイマイチ】
▪じっくり描いているので、少し長かったかもしれない…。約2時間20分ありました。RRRくらい展開するならいざ知らず、シンプルな起承転結のストーリーでこの長さは厳しかったです。

 

【上をどう直すか】(個人の見解です)
▪静かで間を大事にした映画とはいえ、長すぎると冗長になってしまうためもう少しシーンを厳選しても良かったのかなとは思います。ただ、ともあれ俳優さん方のお芝居が非常に良かったため、一種の心地よさはありました。

 


個人的な話をしてしまいますが、私はかつて就職活動がとても苦手でした。

見た目や年齢、属性あるいは学歴……面接においてはそういったものを嫌でも意識しないといけないからです。面接官は履歴書に書かれた情報からある程度ラベリングをし、新卒という名前の商品を市場の中で物色します。今では、社会の中で自分がどのような立ち位置に居て、どう見えるのか自覚的でいることができております。ただ、それは成長ではなく、そうした方が楽だからという諦観です。本来であれば、肌の色も年齢も性別も、本人の能力とは何も関係がありません。


今作はさまざまな属性の違いを乗り越えた、非常にピュアな才能と友情を描いており、観ていて優しい気持ちになりましたし、世界がこんな人たちであふれれば良いなと切実に思います。

現実世界では手に入れがたい、あのような信頼関係は強烈に憧れます。属性も利害も関係ない、とてもシンプルな友情です。自分も義に厚い人間であろうと、身の引き締まる思いでした。


プレミアムシアターでやっていたので録画してみたのですが、総じて良かったですね……。

ゴジラ新作が話題ですので、そのうち観に行きたいと思っております。
それでは、また次回!