ささみの呟き

独断と偏見でいろんな感想を載っけてく

オッペンハイマー 観ました

こんにちは。

ノーラン監督作品アカデミー総舐め、これは見るっきゃねえということで観てまいりました。

地元の映画館ではなぜか上映していなかったため、少し足を延ばしての鑑賞。結果、とても実りのある映画体験となりました。

 

【情報】

オッペンハイマー

監督・脚本:クリストファー・ノーラン

原作:カイ・バード&マーティン・J・シャーティン

オッペンハイマー「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』

2024年日本公開のアメリカ映画
2024年4月に映画館で視聴(字幕)

 

【あらすじ】

第二次世界大戦の戦時下。

理論物理学の第一人者であるユダヤアメリカ人科学者・オッペンハイマーは、弟が共産党員であることを理由に共産主義者ではと言いがかりをつけられ、裁かれたくなければマンハッタン計画に参加しろと招集をかけられる。ナチス・ドイツとの原子力爆弾開発レースに勝つため、第一線の科学者たちを集め、広大な荒野であるロスアラモスの地に研究のための街を建設したオッペンハイマー

究極の状況下にありながら、科学者の叡智を結集させた研究の意義と、人命を奪う開発に揺れ動く。

 

【良かった点】

オッペンハイマーの人生を自分が生きたかのように感じる没入感。特に、核実験を成功させた瞬間の高揚と同時に襲い来る「私は死である」という実感、その後原爆を投下した後の勝利スピーチでの聴衆に重なる核爆発のリフレインのシーンが鮮烈でした。多分勝利スピーチのシーンは二度と忘れられない、究極のミッドポイントだと感じました。

▪科学の叡智の感動、それを使用する人間への善悪の問いかけがはっきりと提示されていたと思います。個人的にはハリウッドでこの内容の映画が作成されたこと自体が素晴らしいんじゃないかと。監督の手腕で素晴らしいエンタメに昇華されておりますが、「道徳的に核兵器を人間に使用するのはあり得ない」という現代の視点から描かれつつ、当時戦時下の狂気、人間の汚さも事実としてしっかり描かれていると感じました。

▪寝不足で観に行ったにもかかわらず、3時間に及ぶ会話劇が加速度的にのめりこめる内容になっていて、一瞬たりとも眠気が来ませんでした。

▪物語上最初の恋人でありファムファタル的女性・ジーンが、オッペンハイマーの人生から欠落した「思想」的存在であると感じました。(オッペンハイマーは「揺れ動く」人生でありたいと考えていたため、倫理観とは別に善にも悪にも染まる人間だった印象。確固たる「思想」があれば変わっていたのではないかと思います)この内容にとどまらず、作品前半にいくつも仕掛けられた伏線的な言葉やシーンが、後半でオッペンハイマーの人生の流れと結びつき、なぞかけのような1行にまとまっていると思います。(プロメテウス、連鎖反応など)なぞかけなので、前半の引っ掛かりが後半と結びつき一行にまとまりはするのですが、正解ははっきりと言えない問題ばかりです。

▪言わずもがな、役者の芝居が光っておりました。その芝居を引き出す仕掛けとして、原爆投下の映像を見るシーンで実際に役者に見えるように流していたり、冒頭主人公が宇宙を思考する抽象的な映像シーンは合成ではなく実際に主人公の目の前で装置を使って撮影されていたり、さまざまな工夫があったと知りました。

 

【ここはイマイチ】

▪映画本編にかかわる内容ではないのですが、日本語翻訳がたびたび的外れで、意味が通じづらいシーンがいくつかありました。3時間の会話劇でセリフが非常に重要な映画なので、残念だと思います。

▪本当に冒頭30分だけ退屈でした。ここの30分の情報をどれだけ真剣に集中して見られるかどうかで、そのあとの二時間半の映画体験が素晴らしいものになるかどうか差が付くと思います。

 

【上をどう直すか】

▪翻訳は、ノーラン作品は複数人でやるべき?

▪冒頭30分に関しては、視聴者の頭の中で情報の整理が行われているため純粋に楽しむのは難しいとは思いますが、とはいえ「どんな話になっていくのか?」の提示がもう少し早く出ると嬉しいなと思います。伝記ものなので、私自身がオッペンハイマーについて詳しく知らなかったことが退屈の原因の可能性が高いですが…。オッペンハイマーの人生の前提知識がある鑑賞者向けなら問題なく観やすいかもしれません。

 

 

3時間みっちり集中して見終わって、いろいろと考えたことはあるのですが、単純に「人間は恐ろしい」ということを強烈に感じました。科学の純粋な探求心に端を発し、自己顕示欲、独善的な思考、名声の渇望など、人間の汚い部分が時代の建前によって正当化され、非人道的な大量殺戮が行われる。一時の栄光と引き換えに「世界を破壊してしまった」オッペンハイマーは、その一生で罪を償うことはできないと思います。どこかで止まることができたんじゃないかと後から振り返ればいくらでもタイミングはあったのに、周りの人々だって止めることができたはずなのに(自分たちさえよければよいという無関心さの罪)、まさに「連鎖反応」によって引き起こされた悲劇だなと感じます。一種のバタフライエフェクト的な印象さえ受けますね。自分の日常生活の中でも何かのきっかけで連鎖反応が起きて、取り返しのつかない過ちを犯してしまいそうだなと震えました。

科学者たちのたゆみない思考の結果、莫大な力を持った科学的事実がこの世に産み落とされ、その科学を人間がどう使用するか?どのように受け止めるのかは非常に哲学的な問いかけだと思います。生活に役立つものが大半だと思いますが、莫大すぎる力、それが兵器になったときに人は使わずにはいられないのかもしれません。オッペンハイマーは自分が開発した核兵器による戦争で世界が破壊される未来を予測しましたが、今のところ地球はなんとか保たれています。しかしながら兵器開発の連鎖は止まっていないのは事実で、それこそ最も悲惨な連鎖反応だったのではないかと思います。過去に学ばず、自分たちだけ現在のリスクを排除したいがためにより強い力を求めるのが人間の性質ということでしょうか……。

 

いろいろ考えさせられる、ぜひみんなに見てもらいたい映画でした。戦争は遠い昔の話ではなく、他国では普通に現在も起きていることなので、この映画の内容を肝に銘じて生きていきたいですね。

 

それでは、また次回!

ボーはおそれている 観ました

こんばんは。最近コンスタントに映画を観ているので更新も頻繁になってます。

とんでもない映画を観てしまったため、頭の整理のためにも書き記そうかと…。

大好きなアリ・アスター監督の最新作です。

ネタバレ感想ご注意ください!

 

【情報】

『ボーはおそれている』

監督・脚本:アリ・アスター

2024年日本公開のアメリカ映画
2024年2月に映画館で視聴(字幕)


【あらすじ】
ボーはいつも不安でいっぱい。父の命日に帰省しようとしていたボーは、直前で猟奇的な隣人に荷物と自宅の鍵を盗まれてしまう。トラブルで帰れない旨を母に告げると、信じてもらえず、会えないまま母親が亡くなってしまった。報せを受け、絶望に打ちひしがれたボーは車に轢かれてしまう。目を覚まし、轢いた家族から献身的なサポートを受けるが、早く帰省しないと母親を埋葬できないと弁護士になじられ、どうにか帰省する方法を探るが……。

 

【良かった点】
▪画面がとにかく美しい。ホラーやスリラー作品を得意とする監督で、自分自身普段は好んでそういった系統の映画は見ないのですが、ヘレディタリーの最初の10秒でこの監督の虜になりました。ミッドサマーもですが、今回の映画もとにかく画面が美しくいびつに整っています。何度でも観たくなる洒脱な映像。色、構図、映すモチーフ、なにもかもがオシャレ。

B級映画っぽい展開やコメディシーンがたびたび挟まれますが、全くB級に見えなかったのは画面の美しさとテンポ、世界観の説得力(ホアキン含め)によるものだと思います。本当に挑戦的な内容でした。

▪さまざまな映画のオマージュ。ここはあれっぽいな、と考えるのが楽しかった。

ホアキン・フェニックスのお芝居。純真無垢な不安定さ、疲弊している中年の感じがとっても良かった。JOKERを見ていないのですが、これのお陰で見たくなりました笑 ホアキンが途中でカウボーイハットをかぶって田舎の男性になりきるシーンがあるのですが、これがまあかっこよくて……ホアキンとアリアスター監督で次回は西部劇やると聞いて激しくガッツポーズをしました。心の中で。

▪物語後半、母親のベッドの上でのシーンが最高に最低で、普通にトラウマになりそうです。途中からじわじわ「こういう展開になりそう、なったら嫌だな、ならないでくれ!」と思って身構えていたのですが、思っていた通りになって本当に嫌でした笑 きっとボーに感情移入していたからなのでしょうけど、分かっていても逃れられない恐怖ってあるんですね。

▪ボーが経験する出来事や見えている世界は、意味が分からないようでいてきちんと全部物語やロジックがつながるように、映画鑑賞者に説明されていることがとても親切だと思いました。そのおかげで、どこからどこまでがボーの思い込みで…というのも割と分けやすいと思います(アリ・アスター監督が明確に線引きさせようと思っているかはさておき…。)母親・自分の性的側面への恐怖と罪悪感が、きちんと一貫して描かれており正直心地よさすらありました。

▪日常の恐怖を描くのが上手い。叫びながら走ってくるだれか、というのは私もよく不意に考えてしまいます。

 

【ここはイマイチ】
▪この映画に言うのはご法度のような気がしますが、長いです笑

▪父親の真実を見せてあげる…と言って案内された場所に居たのが、父親じゃなかったのが分かりづらかったかも。後で公式解説見て、あれが双子の兄弟だったことを知り、度肝を抜かれました。父親じゃないんかい。

 

【上をどう直すか】(個人の見解です)
▪テンポを速くするとしたら森の妄想シーンはカットか、もう少し短めでもええんちゃう?と思いました。ただ映像がすこぶる美しく素晴らしかったので難しいところですね。

▪屋根裏にもう一人の自分が閉じ込められる夢、とボーは言っていたのですが、実際は「夢じゃなく記憶よ!」と母親に言われて屋根裏に入れさせられます。そのつながりで、双子の兄弟が生きていたんだ!となれば良いと思うのですが……

私は直前まで話していた「父親の真相を教えてほしい」という話の内容が頭から抜けず、それ前提で屋根裏部屋に入れられたのだと思っていたため、完全に父親のやせ細った姿なのだと思ってしまいました。ここはセリフに改善が期待できそうです。

 

 

個人的な話をすれば、自分自身も家族や親というテーマに薄暗さと強烈な愛憎を抱えているため、アリアスター監督の映画はすべてドンピシャです。気持ち悪いことを言うと、「家族」「親」などに対する利己的な自分を可視化して、自分を慰めたくなることが多いため、非常に共感してしまいました。

今回のお話は毒親から離れる→毒親が死んだふりをしている間に主人公は紆余曲折の帰省→帰省中に親の嘘が詳らかになり激昂して殺害→罪の意識からは逃れられず、最後の審判によって水の中で死亡 という流れだったと思います。

水から生まれて、水に還る。ともすれば、ドグラマグラや、INSIDE(ゲームです)を彷彿とさせる構成でした。

 

絶対に映画館で見る価値はあるのですが、付き合いたてのカップルや友達と行くものではないと思います笑 私は今回見る前友達と行こうと思っていたのですが、予定が合わず断念。今となっては心底ひとりで見てよかったと思ってます笑

 

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

TENET 観ました

こんにちは。

土日の間に観たのですかさず記録を残しておきます。

 

【情報】

『TENET』

監督・脚本:クリストファー・ノーラン

2020年日本公開のアメリカ映画
2024年2月に吹き替え版で視聴


【あらすじ】
CIA特殊工作員の主人公は、オペラハウスでのCIAスパイ人質立てこもり事件でロシア人に捕まってしまい、拷問の末自決用の毒薬で死ぬ。

直後、目を覚ました主人公は謎の男性から先の作戦はテストであったことを告げられ、第三次世界大戦を阻止する任務を与えられる。「TENET」というキーワードを授けられ、ある研究室へ向かうと時間が「逆行」する銃弾と壁が未来から送られてきていたことを知る。大戦を阻止する手がかりとして、この「逆行」技術を使った武器商人を探り始めるが……。

 

【良かった点】
▪世界観設定にワクワクしました。逆行する技術を体得した世界で、それを使いこなすためには「逆行した動き」が出来ないといけないというのもリアル
▪何度も見直したくなる作り方。

▪徹底した画面作り。

 

【ここはイマイチ】
▪正直に言えばインターステラーメメントを既に観てしまっているため、ギリギリ期待値に届かなかったです。前者はしっかりと科学的エビデンスに基づいたファンタジーで素人目にも矛盾がほぼ無いように見えストレスがなく完成度が高い、またメメントはそれこそ時間の叙述トリックを使ったほぼ最初の映画だと思いますがメメント以上のアハ体験がありませんでした。これらを超えてくる作品でないと、ドラマが薄い映画に仕上げるなら足りないような気がします。

▪ドラマが薄い

▪初見で理解しきれないように作っていることそれ自体は好みではありませんが良いとして、シンプルにシーンやエピソードごとの繋ぎがツギハギすぎて視聴者に不親切すぎると感じました。

 

【上をどう直すか】(個人の見解です)
▪もはや好みの問題だと思うのですが、ドラマパートをしっかり描写。

▪情報量を厳選し、シーンごとの繋ぎをナチュラルに。

 



テネットの感想などで検索をかけると大抵絶賛の評が多いので、自分が少数派だろうとは思いつつ……。

一応観たものの感想ということで、掲載しておきます。

それではまた!

 

2023年観た映画

お久しぶりです。

観た映画の共感が得られなさそうな感想をぶちまけたい時、このブログのことを思い出します笑

 

2023年末に書いていた映画館新作感想まとめを下書きから見つけ、書き上げて投稿することに決めました。

以下、乱暴ではありますが作品タイトルと一言コメントを書いていこうかと思います!

 

【映画館】

湯道/バビロン/THE FIRST SLAM DUNK/RRR/エブリシング・エブリウェアー・オール・アット・ワンス/スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース/鬼滅の刃 遊郭編~刀鍛冶の里編/君たちはどう生きるか/しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE/シアター・キャンプ/ホーンテッドマンション/ザ・クリエイター/ミュータントタートルズ/鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎/窓際のトットちゃん

コメントは下へGO!

 

 

▪湯道

観る温泉。話題になってなかったけど温泉好きとしては満足度高かったです。傾いた銭湯の存続をめぐって巻き起こるヒューマンドラマと、熱い「湯」への思い(ダブルミーニング)が伝わる物語&徹底した画面作りで、豪華俳優陣のお芝居も相まって没入感があり癒しの時間でした。特にこれといったカタルシスはないので、温泉あるいは監督(コメディ)好きじゃないと退屈かも。でも逆に仕事に疲れた時に見たら号泣しちゃいそう。

 

▪バビロン

創作者・あるいはすべての頑張ったけど報われなかった人が、他者の才能・時代の運、そういったものへの嫉妬を共鳴させる作品だと感じました。この監督、人間の言語化できない感情を汲み取って描くのが非常~~~に上手いなあと素人目線ながらいつも感動します。どうやって役者さんに伝えてるんだろう…。素晴らしいです。ただ、意図はわかるのですが、下品なシーン多すぎて好みではなかったです。

 

▪THE FIRST SLAM DUNK

遥か昔に読んだスラムダンクが、映画館のスクリーンでまるでキャラが生きているような臨場感をもって観れたのは感動です。今までフォーカスの当たりづらかった宮城メインに、山王戦の1試合をスピード感をもって描いていて非常に満足度高かったです。これ前情報なしの広報戦略も結果として良かったよね。

 

▪エブリシング・エブリウェアー・オール・アット・ワンス

人生の無限の可能性を示唆してくれる、馬鹿馬鹿しくて哲学的で、愛に溢れたSFカンフー作品。チャイナタウンの片隅、しがないクリーニング屋を営む家族の母である主人公。ひょんなことからマルチバースの自分の能力を手に入れ世界を救う戦いに巻き込まれますが、壮大な話かと思えばラスボスは自分の娘、壮大な親子喧嘩ともとれる構造になっていました。話の全体像を俯瞰して見た時に、なんてお話づくりが上手なんだ……と感動せずにはいられなかったです。ただ、結構過激な下ネタが入るので、そこで醒めちゃう人は醒めちゃうかも。個人的には下ネタが好きなティーンエイジャーって当たり前の存在で、直視させるために敢えて下品に描いている意味のあるシーンだと思ってます。あと視聴者の肩の力を抜けさせるための下ネタはお洒落なサービスシーンだと思う。見てない人はおすすめ。

 

スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース

超絶オシャレアニメ。ストーリーもとんでもなく整ってるうえに期待を裏切る面白さ。続き物の2作目なのですが、もしかしたら1作目を超える面白さだったかもしれない…。あと映像がアニメーションの最先端で、度肝を抜かれました。(1作目も同様ですが)確実にアニメーションだと分かるタッチ・風味は残しておきながら、細部までこだわりぬかれたモーション、演出には感動して震えるしかなかった。本当にすごかったです。ジャパニメーション・ディズニーしか見たことない方は一回観てみると違いを楽しめると思います。

 

鬼滅の刃 遊郭編~刀鍛冶の里編

これが現状ジャパニメーション最高峰だと思います(個人の感想です)ufortableさんありがとうという気持ちで観ておりました。また、漫画の方で何度も読んでいるのですが、遊郭編で戦う鬼のエピソードが良すぎますね。映画館で観ても泣けました。音楽も声優さんも良い。テレビシリーズをあのスクリーンで観て映画と遜色ないって……どんなアニメ?

 

君たちはどう生きるか

宮崎駿監督の最終作品(暫定)の印象が強すぎました。アニメーション美術は本当に素晴らしく、田舎の土のにおいがリアルにスクリーンから香ってきそうなほどでした。内容に関しては、何度か観てからコメントしたいので控えます。でも確実に好きな作品です。

 

▪しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE

この映画にはひどく腹を立てております。本当に。怒りの記事を個別に書きたいくらいw子供たちが笑ってたのが救いだなあと思いつつ、現役20代社会人としては非理谷くんの現実が全く他人事ではなく、なまじリアルに描かれてしまったために、世の中の格差的なものへのアンサーが精神論的・乱暴(一種投げやり)に見える結末で、若者はより絶望するしかないという最悪のメッセージムービーに感じました。あと私の中の野原一家と解釈違いでした。あんな無責任で適当なこと言わない……。

 

▪シアター・キャンプ

ひと夏の合宿で、子役の卵たちがミュージカルを作り上げる話。モキュメンタリーという手法で撮られた映画を初めて見ましたが、この作品に非常にマッチしていたし没入感がありました。なにより子供たちがとっても可愛かった……映画の中に子供がメインで映ると、もうそれだけで評価上がっちゃうのどうにかしたい。

 

ホーンテッドマンション

最新リメイク版。昔の映画とかなり印象変わってました。幼い頃の贔屓目かもしれませんが、ウィル・スミス版の方がディズニーのワクワク感があったような……。ただ、可もなく不可もなくという印象です。

 

▪ザ・クリエイター

割愛。素晴らしかったです。良かったら記事見てね。

 

ミュータントタートルズ

これも最新アニメだったのですが、最先端の映像で見ごたえがありました!やはりアメコミ世界観から飛び出してきたかのようなタッチ、お洒落さにしびれます。ミュータントタートルズ自体初めて見たのですが、目が慣れてくるとだんだん可愛く・かっこよく見えますねwストーリーも王道でよくまとまってます。何も考えず感動したいときにおすすめ。

 

▪鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

ゲゲゲの鬼太郎自体をそこまで見ていないにわかなのですが、これは非常に面白く観ることが出来ました。まずそれがすごい。目玉の親父の昔の話ということでしたが、キャラデザは良いわストーリーは重厚だわ、世界観映像美術設定なにもかもがこの令和5年という時代に刺さり、且つ原作リスペクトがあるのだろうなあと無理に冒険しすぎない姿勢も非常に好感が持てた映画です。原作好きであればより楽しめそう。

個人的には戦争の話やドロドロした話が好きではないため刺さりませんでしたが、人気が出る理由がよくわかる、丁寧なドラマ映画でした。

 

▪窓際のトットちゃん

じつは31日に滑り込みで観て、2023年1番好きな作品になりました。ずっと泣いてた気がします笑

トットちゃんの声優さんが怪演、これぞアニメーション映画の醍醐味という深さ美しさ。発達障害トットちゃんが富裕層の家庭環境から戦争に向き合う、その実体験がしっかりと描かれていた後世に残すべき心のこもった映画だったと思います。

 

意外とそんなに観てなかったなと思いつつ笑

たくさんの素晴らしい作品との出会いに感謝しつつ、2024年ももっと映画観るぞ!と意気込んでおります。

 

それではまた次回の記事で!

小説家を見つけたら 観ました

こんばんは。寒くなってきましたね!

ヒートテックが手放せない季節になってきました。

 

早速ですが、今日は最近観た作品の話を……。

 

【情報】

小説家を見つけたら

監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:マイク・リッチ

2000年公開のアメリカ映画
2023年11月に字幕版で視聴しました


【あらすじ】
ニューヨークの下町、ブロンクスに生まれた16歳の黒人少年ジャマールは、文学の才能を持ちながらも周囲に合わせ、その才を隠していた。そんなある日、仲間たちと集うバスケコートをアパートの窓から双眼鏡で覗く老人の部屋に、度胸試しで深夜忍び込むも、部屋の主が起きていたことに驚きリュックを置いてきてしまう。
後日、戻ってきたリュックの中に入っていた創作ノートには赤字でコメントが書かれていた。
老人に興味を持ったジャマールは、その後も作文を持ち込み、強引に添削を依頼する。引きこもっている老人は、どうやらフォレスターという稀代の小説家であり、処女作でピュリツァ―賞を受賞したのち、忽然と姿を消した人物だった。
親交を深める2人と、急速に文章が上達するジャマール。学費免除で転校した私立の高校教師クロフォードは、ジャマールの文才を信じられず、賢いジャマールを目の敵にしていく。
ある時、練習用で書いた文章のタイトルと冒頭が、フォレスターの古いエッセイの写しであることに気が付かず、学校に提出してしまったジャマール。クロフォードは一見して盗作だと決めつけ、退学に追い込まれそうになるが……。

 

【良かった点】
ショーン・コネリーの味わい深い芝居。主人公ジャマール役の少年も素晴らしかったです。(後で調べたら映画初出演らしい!すごいですね)
▪人物の心理描写が非常に丁寧でした。だれもが経験するような最小単位での出来事……たとえば、貧しい家庭の家族が健気に明るくふるまっている現状へのもどかしさや、年齢や肌の色・生まれた場所でラベリングされ差別されることへの憤り、あることがきっかけで外に出れなくなってしまった老人の感傷と孤独。とてもじっくり描かれ、感情移入できましたし、リアリティがありました。
▪静かな映画ですが、ラストシーンはとても胸が熱くなりました。キャラクター同士の関係構築と物語の落としどころが良かったです。

 

【ここはイマイチ】
▪じっくり描いているので、少し長かったかもしれない…。約2時間20分ありました。RRRくらい展開するならいざ知らず、シンプルな起承転結のストーリーでこの長さは厳しかったです。

 

【上をどう直すか】(個人の見解です)
▪静かで間を大事にした映画とはいえ、長すぎると冗長になってしまうためもう少しシーンを厳選しても良かったのかなとは思います。ただ、ともあれ俳優さん方のお芝居が非常に良かったため、一種の心地よさはありました。

 


個人的な話をしてしまいますが、私はかつて就職活動がとても苦手でした。

見た目や年齢、属性あるいは学歴……面接においてはそういったものを嫌でも意識しないといけないからです。面接官は履歴書に書かれた情報からある程度ラベリングをし、新卒という名前の商品を市場の中で物色します。今では、社会の中で自分がどのような立ち位置に居て、どう見えるのか自覚的でいることができております。ただ、それは成長ではなく、そうした方が楽だからという諦観です。本来であれば、肌の色も年齢も性別も、本人の能力とは何も関係がありません。


今作はさまざまな属性の違いを乗り越えた、非常にピュアな才能と友情を描いており、観ていて優しい気持ちになりましたし、世界がこんな人たちであふれれば良いなと切実に思います。

現実世界では手に入れがたい、あのような信頼関係は強烈に憧れます。属性も利害も関係ない、とてもシンプルな友情です。自分も義に厚い人間であろうと、身の引き締まる思いでした。


プレミアムシアターでやっていたので録画してみたのですが、総じて良かったですね……。

ゴジラ新作が話題ですので、そのうち観に行きたいと思っております。
それでは、また次回!

 

ザ・クリエイター/創造者 観ました

 

こんばんは。

最初の記事に連続して、早速更新させてもらおうかと思います!

 

暦通りのお休みなので、土日は大体映画館にこもって色々観てます。

その中でも、最近観た中でいっちばん刺さったのがこの

ザ・クリエイター/創造者

ローグワンの監督がオリジナルで手掛けた最新SF(しかもサイバーアジアが舞台!)、AI対人間という古典的ながらもしっかりしたドラマのありそうな予告映像で、非常に楽しみにしておりました。

詳細な感想は下記!

 

※がっつりネタバレがあるので未見の方はお気を付けください。

 

【情報】

『ザ・クリエイター/創造者』

監督・脚本:ギャレス・エドワーズ

2023年10月20日日本公開

2023年10月21日映画館で視聴

 

【あらすじ】

AIが発達し、まるで人間の感情のような表現がプログラミングされた人型AI「シミュラント(模造人間)」が開発され、世界中で親しまれるようになった未来。

ある時、AIのミスによって核がロサンゼルスで起爆した。アメリカ政府は二度とこのようなことが無いように国内のAIを一掃。しかしAIを人間のように扱い共存し、生態系も再編されたアジア諸国、通称『ニューアジア』では、彼らを処分することを頑なに拒否。隣接するアメリカ西海岸諸国はこの事態を重く受け止め、ニューアジアへの潜入・殲滅部隊を発足した。

10年後。かつて、その潜入調査員だった主人公は、現地で亡くしたはずの妻がニューアジアで生きているという知らせを受け、再度潜入部隊に参加する。謎の天才科学者「ニルマータ」が開発した最新のAI兵器を持ち帰るという作戦の中、主人公は可愛らしい子供の姿をした兵器に辿り着き、行動を共にすることになる――。

 

【良かった点】

・世界観がとにかく良かったです。AI探知/殲滅基地「ノマド」が森や田んぼに機械的な青い光を降り注ぎながら出てきた瞬間脳汁止まらなかったし、徹底した画面作りが行われていて、それが世界観の説得力を形作っていたと思います。特に、アジア諸国の人種・言語がごちゃ混ぜになっているニューアジアの世界観、そこにAIが人と同じように暮らしている、という設定が100億点、これだけで観る価値あります。これが観たかった。黄金色の棚田にオイルの匂いがしそうないかついシミュラントが農作業してるの胸熱……。現実的には不可能かもしれませんが、様々なものを受け入れる、そして共存していくという描き方が良いなあと思いました。言ってしまえばファンタジーアジアですが、西洋文化から見つめたアジア文化への憧憬とリスペクトを感じる素敵な表現かと思います。

アルフィー役の女の子、演技がすごいし可愛い。ずっと見ていたい。これでデビュー作らしいですが、素晴らしいですね。ただ黙ってそこにいるだけで、とてつもない存在感があります。

・AIが人間より人間らしく描かれていました。ノマドに探知されたAIが走って家屋に逃げ込もうとするのですが、先に避難していた人間を見て、巻き込んではいけないととっさに引き返し命を散らす描写など、秒数にしたら10秒くらいだったと思いますが泣けました。

・主人公自身、親族がみんなロスの核で亡くなってAIに恨みを持っていたはずなのに、ニューアジアでAIを心から愛する人間の様子や、AIが領土戦争などするはずもないこと、すべては人間の犯した過ちであることを知り、なによりAI関係なくアルフィーのことを愛してしまった主人公の姿がとても人間臭くてよかったです。自分の娘の分身と知った後も、すぐに娘として接しないところが好感が持てました。

・ある種、AI賛美ともとられかねないラスト。新しい!考えさせられます。めちゃくちゃラストシーン好きです。

 

【ここはイマイチ】

・幕間に挟まるアイキャッチで日本語表記もあるのですが(FRIEND/友達 など)、そこのフォントが江戸勘亭流のようなフォントで画面の印象と合っていないのがどうも気になりました…。細かいですが、全体の画面がとても意図を感じられる丁寧なつくりなので。やはり、アジア情緒というひとくくりで纏められてしまっている部分で、憧れは理解から最も遠い感情なのだなと思います。(突然の藍染隊長)

フォントデザインは凝ってほしかったなあ。

・AIにまつわる設定が、観ていて物足りなかったです。うーん。

今回は、AIは写し鏡のような役割で、結果的に「人間」をテーマに描いた作品と受け取りました。だからこそ、AIの複雑な設定などは後回し、ある種「AI」という人種として描き、メインは人間同士の問題にして、物理的な諍いで分かりやすくしたのだと思っております。そのためAI設定まわりが物足りなかったなあと……欲張りでしょうか。ワクワクする設定てんこ盛りで、画面の圧で面白く見れるのですが、ストーリーが予想の範疇を出ないのでもう一歩AI関係で突出してほしかったなあ。

 

【上をどう直すか】(個人の見解です)

・フォントデザインに関しては日本のデザイナーに見てもらうのが良いかと。日本人向け考えてないならいらないです。

・そもそも、今回のAIの発想や設定が視聴者の予想の範疇にある、という問題があるかと思います。SF好きは科学による想像もできない素敵な未来(あるいはサイアクな未来)を見たい人も多いと思うので。となれば、やはりシンギュラリティに言及し、もっと高度な技術力で活躍するAIと人間社会のかかわりを描いてあると良かったと思います。ニューアジアとアメリカの戦いも、ほとんど人間同士の戦いと変わりがなかったため、もっと想像もつかない戦い方があっても良かったのではないかと…(それこそアルフィーのような能力があれば、「敵側の機器を操る」などできても良いですし、チートになりすぎない程度のチートをAI側がやっても良かったかと思います)。

 

全体的には本当にとても良かったので、もう一回くらい映画館に見に行きたい作品です。

ラストシーンに関して、さきほどAI賛美と書きましたが、作中での監督のAIの描き方が一貫して「人間が作り出した機械/プログラム」なので、どちらかといえば「人間賛美」かな?と思っております。「AIは人間を傷つけない」とプログラミングする人間のことを信じているのかなと。AIがAIを作るようになれば、先のことはいざ知らずですね。

 

観終わった後に素直に考えたのが、自分が同じような世界に生まれたら、果たしてシミュラントのことをただの機械として扱えるのだろうか、ということです。私には多分無理だ…。

人間の感情のメカニズムが完全に解明され、機械が感情をプログラミングによって完ぺきに会得したとすれば、それは果たして人間となんの差があるのだろう?とは思います。機械にも耐用年数があり、損傷すれば修復できないパターンもある。人間と同じように。

そこに命はありませんが、もしかしたらそのうち機械だけの社会が形成されることもあるかもしれないなあと思ったり。

 

とりあえず、SF/ヒューマンドラマ好きなら絶対に一見の価値ありだと思います。

今年観た中では今のところ一番良かったです!

 

他にも最近観た映画に限らず、観たもの読んだもの順不同で感想上げていきたいなと思います~!

 

このブログのこと

 

 

はじめまして、ささみと申します!

普段はエンタメ関係の業界で働いている20代です。

 

仕事柄、さまざまなコンテンツをインプットする機会が増え、いろんな感想を気兼ねなく話したい!と思い立ち、ブログに綴っていくことにしました。

 

ということで、このブログで主に話していく内容を下記にまとめていきます!

 

■映画

■漫画

■小説

■ドラマ

■演劇

■ゲーム

■ささみの思っていることなど

■その他

 

また、エンタメコンテンツの感想に関しては

①全体の感想

②良いと感じた点

③イマイチと感じた点

(④③の点をどう改善できるか)

まで記載していこうかと思います。

③④は上から目線での批評というようなことではなく、もし自分がこの作品を企画する側だったら……もっともっと良くするには……という目線で、仕事上思考の訓練の材料にさせていただく、という意味合いです。

 

他には、日々のくだらない発見やただの日記なども更新していければと思いますので、このブログにたどり着いていただいた方はぜひお暇なときにでも見てくれたらと思います!

 

それでは、どうぞよろしくお願いします:)